お役立ちコラム
鹿児島県が治験対象となる乳がんの早期発見の新手法
今日は鹿児島県が治験対象となる乳がんの早期発見の新手法についてご紹介いたします。
国立がん研究センターでは血液から乳がんを早期発見する検査法の臨床試験(治験)を始めました。
1回の採血で、がん細胞から漏れ出て血液中を漂う「マイクロRNA(リポ核酸)」を検出し、がんの有無を調べるという手法です。
高い精度を確認して実用化できれば、患者負担の少ない健診法になり、さらに受診率向上にもつながると期待されています。
乳がん検診に用いるマンモグラフィー(乳腺エックス線撮影検査)は、検査時に痛みを伴うほか、若い女性などでは正確な診断が難しいケースもあるため、少ない負担で早期がんでも正確に見つけられる手法が求められています。
今回の治験は乳がん検診を受ける40~69歳の3000人を対象とし、愛媛県、鹿児島県、北海道、福井県で実施されます。
乳がんは女性が罹りやすいがんであるにも関わらず、健診率が低いことが現状です。血液検査で同時にがんの有無がわかれば、乳がんの早期発見・早期治療につながりますね。
マイクロRNAがんマーカー性能検証試験の実施方法
各道県の日本対がん協会各支部で乳がん検診を受けた方に協力を求めて血液を提供していただき、乳がんに関連するマイクロRNAがんマーカーを東レの3Dジーンという技術で測定します。その結果と、実際の乳がん検診(マンモグラフィー)結果、精密検査として実施される乳腺エコー検査結果などを比較分析し、マイクロRNAがんマーカーの性能を評価します。
開始時期・場所(終了はいずれも2022年3月)
開始:
鹿児島県
開始:2021年1月より開始
場所:(検診)鹿児島県民総合保健センター、(精密検査)鹿児島大学病院
参加対象
各検診機関で乳がん検診を受診される40歳から69歳の方で文書による同意が得られた方
登録目標
3000人(マンモグラフィーで要精検と判定された方2000人、精検不要と判定された方1000人)
実施方法
参加いただいた方には全員、マンモグラフィーのほか、乳腺エコー検査を受けていただきます(マンモグラフィーで「要精検」と判断された方は精密検査で、「精検不要」と判断された方には本研究による乳腺エコー検査)。採血は9mlで、マイクロRNAがんマーカーを測定します。
評価
マンモグラフィーの結果、乳腺エコーの結果、マイクロRNAがんマーカーの測定結果を比較し、分析します。がんの発見については、まず精密検査による発見で分析し、最終的にはがん登録の情報をもとに分析します。