お役立ちコラム
本日29日は「肉の日」ということで 「赤肉・加工肉のがんリスク」について 焦げた部分にヘテロサイクリックアミンという発がん物質
本日29日は「肉の日」ということで赤肉・加工肉のがんリスクついて紹介します。
まず、日本人の最新のがん部位別がん罹患者数を見た時に、男性では3番目、女性では2番目に多いのが「大腸がん」となっています。
この「大腸がん」の発生には食習慣が深く関係しており、なかでも牛・豚・羊などの赤肉やハム・ソーセージなどの加工肉の摂取量が多いと、大腸がん(特に結腸がん)のリスクが上がることがわかっています。
その関連性については、国立がん研究センターの2015年の研究発表が裏付けとして示されています。
45~74歳の日本人男女約8万人を対象とした研究を実施しており、その結果から、赤肉や加工肉の摂取量が特に多い人(赤肉では上位20%、加工肉では上位10%のグループ)では、結腸がんのリスクが高くなっていることが示されました。
海外に比べると日本では若干関連性が弱い結果だったそうですが、そもそもの摂取量の違いが原因であると言われています。
具体的なメカニズムについては判明していませんが、赤肉や加工肉の動物性脂肪、ヘム鉄が活性酸素を生み出し、がんのリスクを高めると考えられています。
肉は基本的に加熱調理しますが、表面の焦げた部分にはヘテロサイクリックアミンという発がん性物質が含まれます。
最近の研究から、食肉を高温で調理したり、焦がしたりした際に、一部の成分が「発がん物質」に変化することがわかってきました。
これはアミノ酸、糖質、クレアチン(エネルギー源)などが化学変化したものと考えられていますが、食肉を高温で長時間調理したときにだけできる、不思議な物質です。
現在までに17種類ほどが確認されており、まとめて「ヘテロサイクリックアミン」と呼ばれています。
まだ最終的な証明はなされてはいませんが、大腸がん、乳がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、胃がん、食道がんなどとの因果関係を示すデータも、すでに発表されています。
また、加工肉を製造する工程でも、ニトロソ化合物という発がん性物質が生成されます。
これらが要因となっているのではないかと示唆されています。(いずれも程度の問題であり、確実な理由ではありません。)
そもそもの日本人の摂取量は低めなので、意識的に食べるのをやめる必要はなさそうですが、何事も「やり過ぎ」は禁物ということです。