お役立ちコラム

「病気になっても病人にはならない」という名言を残した登山家の田部井淳子さん。希少がんの一種、腹膜がんに罹患でお亡くなりになりました。

2021/12/21

本日は腹膜がんについて紹介します。

このがんは希少がんの一種であり、10万人に6人未満という頻度での発生となります。
部位としては、腹部の一部または全体を覆っている腹膜と呼ばれる組織から発生する腫瘍と大きく整理されています。
初期には無症状であり、進行すると腹水がたまることによるお腹が張った感じで分かったり、腹痛、腰痛、不正出血、排便の異常などを自覚する場合があります。
病気の性質や治療への反応は卵巣がんと類似しているとされており、同じように手術、抗がん剤治療を中心とした治療を進めていくとのことです。
特に骨盤内より上腹部の病変の方が優勢であるため、まず徹底的に腫瘍を減らすような処置を行っていくのが特徴です。

希少がんではありますが、このがんに罹患された方として、女性として世界で初めてエベレスト登頂・七大陸最高峰登頂を成し遂げた登山家の田部井淳子さんという方がいらっしゃいます。田部井さんは2007年には乳がん罹患、2012年に腹膜がん、14年に脳に転移、その後脳の腫瘍はガンマナイフによる治療で消えたものの腹膜がんが再発し、最期は緩和ケア施設で命を引き取る、というように長期にわたり闘病されていました。

「病気になっても病人にはならない」をモットーに、治療の合間にも近くの山に登るなど、回復を信じて前向きに生きていらっしゃったそうです。

その道では「世界一」丈夫な身体を持っていた田部井さんでも、また最初の罹患後もしっかりと予防に努めていたのにも関わらず、命を奪っていくのが「がん」という病気です。

コロナの影響で難しい環境も続きますが、「もし自分が案内していれば」といった後悔がないように、日々精力的にお客様へご案内を続けていこうと思います。