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光免疫療法は抗がん剤、手術、放射線、がん免疫療薬に次ぐ「第五のがん治療法」

2022/01/02

「光免疫療法」についての記事を紹介いたします。
光免疫療法は抗がん剤、手術、放射線、がん免疫療薬に次ぐ「第五のがん治療法」と期待されているようです。
この治療法は次の3つのステップを経てがん細胞を破壊する仕組みだそうです。
①光にあたると反応する色素が付いている抗体を、がん患者のがん細胞の表面へ点滴する
②投与から約1日後、特殊な針などを使い近赤外光のレーザー光をがん周辺にあてる。
③色素が化学反応を起こしてがん細胞が壊れる。

光免疫療法の長所は
1つ目に、局所を治療するため脱毛や下痢などの副作用が起こりにくい点です。
2つ目は、手術や放射線、免疫薬など他の治療と併用しやすい点になります。将来、まずは体へのダメージが小さい光免疫療法を試し、治らない場合に外科手術や放射線、抗がん剤治療を行うという方法が理想だと言われているそうです。

一方、短所として、1回の治療費が薬代のみで約400万円もかかる点です。
4回までは公的保険の対象になるそうです。

患者さんやそのご家族にとって気になるのは経済的負担です。

厚生労働省は、2020年9月、最終段階の臨床試験(治験)が終わっていないため、安全性や有効性の検証という条件付きながら、世界に先駆けて日本で承認しました。
対象は、切除不能な局所進行または局所再発の「頭頸部がん」で、他に治療法がない場合のみです。

投与する薬剤アキャルックス®点滴静注と、光を照射する医療機器のBioBlade?レーザシステムを用いるこの光免疫療法は、「イルミノックス治療」とも呼ばれ、すでに2021年1月から、愛知県がんセンター病院、国立がん研究センター東病院、東京医科大学病院の3施設で治療が始まり、実施病院が順次拡がっています。
光免疫療法の1回の治療にかかる医療費は、薬剤費、装置代、手術費などを含め約700万円程度と高額です(4週間以上あけて、最大4回まで行うことがある)。
しかし、保険適用が承認されたため、公的医療保険や高額療養費制度の適用が受けられることになり、患者さんの自己負担は軽減できます。

ただし、この治療が受けられるのは「日本頭頸部外科学会に認定された指定研修施設」「常勤の頭頸部がん指導医がいる」などの要件を満たした施設に限定されており、まだ20施設程度となっています。

高額ですが、既存の治療で効果が出にくい患者を救える可能性があるようです。
海外の治験では、再発した頭頸部がん患者の約4割の患者が、がんが縮小したりなくなったりしたそうです。
このように、現在数種類の治験が世界の数10施設で進んでいるようです。

今後、いろいろな研究が進んでいくと考えられますが、患者へ少しでも不安が和らぐことができる治療が開発されると良いですよね。