お役立ちコラム
がん検診についての「ホントのこと」 「がん検診」は「検査を受けて終わり」ではなく「検診を受けて、異常があれば精密検査を受け、がんが見つかったら早期に治療を受ける」という一連のプログラム
今日はがん検診についての「ホントのこと」についてご紹介いたします。
がん検診にまつわる「よくきく話」として5個挙げます。
この中のいくつかは間違っています。わかりますか?(答えと理由を記載します)
1.がん検診は早期のがんを見つけるために行うものだ(×)
(理由→早期のがんを見つけるだけで終わるのではなく、早期のがんを見つけることで効果的な治療を行い、進行した状態になって命にかかわる事態を防ぐことが目的だから)
2.若い時から、がん検診を受けよう(×)
(理由→検診では「効率よくがんの可能性のある人を拾い上げる」ことを重視しているからです。がんのリスクが低い人が検診の対象となることで、本当はがんがないのに拾い上げてしまう「見つけすぎ」ということが起こりえてしまうことと、誤ってがんの可能性を指摘される恐れが相対的に高くなってしまうため、検診を勧める年齢がある程度定めているのです)
3.職場の定期健診を受けているから、がん検診は受けなくていいね(×)
(理由→職場や市区町村の検診は項目が異なっていたり含まれていなかったりする場合があります。病院でのがん検診を検討する際は、さらに質の高い検査を受けることが可能となるケースがありますので確認しましょう)
4.体調が悪い、がんかもしれないからがん検診を受けてみよう(×)
(理由→体調が悪いのであれば検診ではなく診察を受けましょう。「症状があるから検診に行く」ではなく、「症状がないから検診に行く」のです)
5.がん検診で異常なしと言われた、来年は受けなくていいね(×)
(理由→検診の結果が「異常なし」であっても、その先ずっとがんにならずにいられることが確約されたわけではありません。また、現在のがん検診は残念ながら感度が100%ではなく、”見落とし”をゼロにはできていません。ですから、決められた間隔で、次の検診を定期的に受けることが大切です。)
「がん検診」は「検査を受けて終わり」ではなく「検診を受けて、異常があれば精密検査を受け、がんが見つかったら早期に治療を受ける」という一連のプログラム、あるいはパッケージとも言えます。
がん検診は「聞いたことがある」のではなく、「正しく知る、きちんと受ける、(必要なら精密検査や治療を受けるなど)行動する」ことが大切です。
“見逃し”や”見つけすぎ”という話を聞いて「がん検診は怖い」と感じた方がいらっしゃるかもしれません。
ただ、現在日本で公的負担のもとに行われているがん検診は、メリットとデメリットを評価した上で、広く推奨される方法として示されたものです。
がん検診について正しい知識を得て、防ぐことができる病気、早期に発見できる病気があることを知っていただきたいと思います。