お役立ちコラム

「過剰介護」何から何まで手伝ってもらうことにより身体機能が低下し、これまで出来ていたことが出来なくなる症状

2022/02/25

本日は「高齢による衰弱」が原因となる介護と「過剰介護」についてです。
介護になる原因の上位に「高齢による衰弱」があります。

具体的な事例がありましたのでご紹介させていただきます。
基礎疾患等なく健康だった方が、定年から20年余り多くの時間を自室で過ごし続けたことによって老化が進行し、歩行や排泄が困難になってしまった事例があるそうです。
病気の後遺症や認知症などで介護が必要になるケースと異なり、今回のような加齢で老化が徐々に進行して介護が必要になるという場合だと、本人が自覚するまでに時間がかかることがあり、介護認定申請を家族が勧めても本人が拒否することがあります。
ご家族は、公的介護サービスを利用することでこれまで同様の生活を送れると思い、説得して介護認定を受けてサービス利用を開始しましたが、実際には老化が急速に進み自宅内であればできていた移動さえもできなくなり寝たきり状態になってしまったそうです。

こうした老化を助長させる介護は『過剰介護』と呼ばれています。
毎日デイサービス等で何から何まで手伝ってもらうことにより身体機能が低下し、できていたことがどんどんできなります。
「使わなければ損」や「使うことが家族のためになる(使うことで介護の負担が減り楽になる)」という考えから公的介護サービスを使いすぎてしまうと、かえって要介護者本人に悪影響になってしまうそうです。

家族は良かれと思ってたくさんの介護サービス利用を行おうとしているかもしれませんが、それをすすめるケアマネージャー側には悪意が働いていることもあるそうです。
また、逆にサービス付き高齢者住宅や住宅型有料老人ホームに所属しているケアマネージャーが利用者にサービスを過剰に利用させて、勤務先に利益をもたらそうとすることで、過剰介護が起こることもあるそうです。
施設型の居宅サービスを受ける際には、至れり尽くせりの介護サービスになっていないかどうか注意が必要となりますね。
注意しなければ、意図せず介護を受ける方を不幸にしてしまう可能性があります。

丁寧すぎる介護を受けたことによる弊害というものはあまり知られていないのではないかと思います。
過剰な介護サービスによって良くない方向に進んでしまうことを防ぐためにも、介護について知る・考えるきっかけを介護保険の提案を通してできればと思います。