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年末年始、塩分の濃ゆいお食事をとりがちになりますのでご注意を「高血圧の基準値以下でも心不全リスク上昇」の記事

2021/12/30

おはようございます。本日は年末年始、塩分の濃ゆいお食事をとりがちになりますのでご注意をしていただきたいので、高血圧の基準値以下でも心不全リスク上昇するという研究結果をご紹介します。

東京大学大学院循環器内科学教授の小室一成氏らは4月23日、国内最大規模の健診・レセプトデータベース(JMDC Claims Database)に登録された約200万例分の症例を対象に、心不全や心房細動などの循環器疾患リスクを解析した結果を発表。
一般的な高血圧診断基準より低い収縮期血圧(最高血圧)値、拡張期血圧(最低血圧)値の症例でも、心不全や心房細動(AF)リスクが上昇する可能性があると報告した。
わが国では、高血圧の診断基準値は最高血圧 140mmHg以上あるいは最低血圧 90mmHg以上とされている。

一方、2017年に米国心臓病学会(ACC)/米国心臓協会(AHA)は
基準値を最高血圧 130mmHg以上、最低血圧 90mmHg以上に引き下げた。
ステージ1高血圧→最高血圧 130~139mmHg/最低血圧 80~89mmHg
ステージ2高血圧→最高血圧140以上/最低血圧90mmHg以上
と定義した。

しかし、これら新たな基準値の妥当性については、依然多くの議論が続けられている。
そこで、小室氏らは新たな基準値における心不全および心房細動のリスクを検討した。

各群の心不全、心房細動の発症リスクについて年齢、性、高血圧以外の危険因子を補正しハザード比を算出したところ、
発症リスクは正常血圧群に対して、
ステージ1高血ではそれぞれ1.3倍、1.21倍、
ステージ2高血圧群では2.05倍、1.52倍
であった。
なお、心不全、心筋梗塞、狭心症、脳卒中の発症リスクについては、正常血圧群に対しステージ2高血圧群、ステージ1高血圧群、正常高値血圧群の順に高かった。
加えて、人口寄与危険割合の指標を用いて、血圧上昇が疾患発症に及ぼす寄与度を推定した。
その結果、ステージ1高血圧群の血圧を正常化させると心不全および心房細動のリスクがそれぞれ23%、17%低下し、ステージ2高血圧群では51%、34%低下する可能性が示された。
「広く一般に用いられている従来の高血圧診断基準(140/90mmHg以上)よりも低い段階から心不全や心房細動の発症リスクが上昇する可能性が示唆されたことは、日本を含む先進国で増え続ける循環器疾患を予防する足がかりになるだろう」と述べている。
さらに、「ステージ2高血圧だけでなくステージ1高血圧も心不全や心房細動のリスクを増加させる可能性が示された。ステージ1高血圧の治療が心不全や心房細動の予防に寄与するかどうかは今後の研究課題であり、医療経済や費用効果の観点からも検討する必要がある」と指摘している。

美味しいおせち料理を楽しみたいですが、少し気をかけるだけでも良いかも知れないですね。

減塩の基本は、よく知られているとおり「薄味に慣れる」ことです。
  1. 出汁をしっかり取って、塩分を多く含む調味料を多用しない
  2. レモンやすだちなどかんきつ類の果汁、酢などを効果的に利用する
  3. コショウなどの香辛料を利用する
  4. 大葉やみょうが、ハーブなどの香味野菜を活用する