お役立ちコラム

「子宮体がんの進行度を正確に予測できる可能性がある診断法を開発した」 福井大医学部産科婦人科学の吉田好雄教授

2021/11/10

本日は子宮体がんの新しい診断法となるかもしれない発表についてです。

「子宮体がんの進行度を正確に予測できる可能性がある診断法を開発した」と、福井大医学部産科婦人科学の吉田好雄教授(60)をはじめとする研究チームが発表した。
さらに研究が進めば、どの程度までの手術を行うべきか、抗がん剤投与の必要性などを見極められるため、患者に応じた適正な治療の選択に繋げられるとのことです。

この「子宮体がん」とは子宮体がんは子宮の内膜に悪性腫瘍が発生する病気であり、「子宮頸がん」に分類されます。(※子宮体がんは内膜から発生することから子宮内膜がんとも呼ばれています)
子宮体がんは患者の年齢層が幅広く、中でも中年の女性がかかりやすいとされており、晩婚化や食生活の欧米化などの影響で、ここ20年で国内の患者は約5倍に増加し、年間約1万6千人が診断されています。
早期発見できれば、完治率は高い種類のがんですが、従来の検査方法は、子宮体がんと診断されると病巣から一部の組織を採取し、病理検査で悪性度を調べるというものであり、このやり方では腫瘍の全体像は把握できず、転移や再発の可能性を正確に判断するのが難しいとされていました。

研究チームは、子宮体がんのリンパ節転移や予後に関係するとされるたんぱく質の一種に着目。患者67人に特殊な薬剤を投与し、細胞の活動状況が分かる画像診断「PET検査」でたんぱく質の働きを調べ、その結果、このたんぱく質の働きが悪いと再発や転移の可能性が高いという傾向が分かったということです。

今後は開発した診断法の信頼性を高めるため、さらに症例数を増やしていく予定だそうです。吉田教授は「子宮体がんの手術は、その後の日常生活に大きく影響します。この研究成果が患者さんの希望につながってほしい」とコメントされています。

上記にもある通り女性特有のがんは、女性にとって大きな影響を日常に与えます。より正確に、かつ的確な治療法が見いだせるような診断法が出来れば、精神的負担も大きく改善できると思います。この分野についても少しでも早く診断法が確立されると安心ですね。