お役立ちコラム
『がん遺伝子狙い撃ち、薬の弱点を補うナノマシン』
本日は『がん遺伝子狙い撃ち、薬の弱点を補うナノマシン』という治療法を紹介します。
がん医療においては、細胞を遺伝子レベルで分析し、適切な治療法を選択するオーダーメード治療であるプレシジョンメディシンが本格的に始まってきています。
今回、ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)が、東京大学との共同研究によりがん遺伝子を狙い撃ちにする新しいタイプのがん治療ナノマシンが開発されました。
今回ターゲットとしたのはがんを引き起こす「c-Myc」という遺伝子で、c-Mycに変異があると細胞内でたんぱく質が過剰に作られ、際限ない細胞増殖につながります。
2010年に「JQ1」という薬剤により抑制することを目指しましたが、腎臓から速やかに排泄されるため、体にとどまりづらいなど、抗がん剤として実用化しづらいという弱点がありました。
今回開発されたナノマシンでは「JQ1」を内包し、がん細胞に取り込まれると、がん細胞内部で薬を放出する仕組みとなっており、副作用も少なく安全性が高められるというものです。
さらに、薬剤ををすばやく放出するファストリリース(FR)と、ゆっくりと放出するスローリリース(SR)の2種類を作り出しました。
意外だったのは、c-Mycが高いがんでは、FRタイプが効果を発揮したのに対して、c-Mycが低いがんでは、SRタイプが効果を発揮するという違いが見られたことだそうです。
がん遺伝子の発現量に応じて、最適な薬剤放出パターンを選べるのは、これまでにない標的治療を可能にするものになると期待されております。
まだ治療法として取り入れられる段階ではありませんが、今後のがん治療さらに進歩していくと感じました。
昔なかった治療が出てくれば、やはりがん保険も昔のままではいけません。ぜひ保障の最新化をお勧めいたします。