お役立ちコラム
進行したがん患者の体重が落ちて筋肉量が減る「がん悪液質」という症状を防ぐ日本初の治療薬が2021年1月に承認
本日は、がんによる「体重の減少」を防止する新薬の開発についてご紹介いたします。
本年1月に、進行したがん患者の体重が落ちて筋肉量が減る「がん悪液質」という症状を防ぐ日本初の治療薬が1月に承認されました。
https://www.ono.co.jp/news/20210421.html
「がん悪液質」とは筋肉と脂肪が減り、体重が6ヵ月で5%以上減少する状態のことを指し、進行がんの患者の80%で生じるとされています。
本来体重の減少は「がんだから仕方ない」と考えられてきた症状でありましたが、体力を維持し治療の継続や生活の質の向上につなげることが可能になります。
実際に使用した関西在住のがん罹患者の方は、がん悪液質の影響で53キロあった体重が一度に6キロ減少47キロになり、約半年間にわたり新薬の臨床実験に参加、その結果50キロ台まで回復をしたとのことです。
当然ですが、がんの治療は並行して行われており、がんの治療をしながら体重を戻すことに成功したのです。
この効果は生活の質向上だけではなく、体重を戻し体力を回復させることで食欲を持続させ、体力が必要となる抗がん剤などを長期間投与し続けられるかもしれないというがん治療への寄与も期待されています。
「これ以上抗がん剤を続けると体力がもたない」と治療を中断していたようなケースを払拭できるかもしれません。
このようにがんに対する直接的な治療ではなくとも、様々な障壁を超えることが出来れば、がん治療の幅も広がっていけますね!