お役立ちコラム

鹿児島市に高齢者・健康長寿医療センター今月オープン フレイル(虚弱)とは「健康」と「要介護」の中間的な状態 

2022/01/25

今日は最近よく耳にする「フレイル」についてのお話しです。
フレイルとは「加齢と慢性疾患が積み重なることで脆弱になり、病気などの外的なストレスによって生活自立度が損なわれやすくなった状態」、すなわち「健康」と「要介護」の中間的な状態です。

健康な方であれば、病気になっても療養によって元の状態まで回復しますが、フレイルの方の場合、病気(感染症など)、手術、けが(転倒など)がきっかけとなり、元の生活機能を維持することが困難になってしまうのです。
75歳以上の方が要介護となる原因の1位はフレイルです。
加齢に伴う衰えや慢性疾患がベースとなり、そこへ運動不足や心の病気、社会的な関わりの減少などさまざまな要素が重なることでフレイルを引き起こし、介護の必要な状態にまで進行してしまう、ということです。

フレイルには、
▽身体的フレイル(骨格筋などの運動器が衰える)
▽精神的フレイル(精神的にもろくなる)
▽社会的フレイル(社会との接点が希薄になる)
▽認知的フレイル(身体的フレイルと認知機能障害が共存している状態)
▽オーラルフレイル(咀嚼そしゃくや嚥下えんげなどの口腔機能が低下する)
▽排泄面のフレイル(排泄機能の衰え)
▽感覚器官のフレイル(目、耳、鼻、舌、皮膚などの感覚が弱くなる)
――など、いくつかの種類があります。

フレイルは、適切な介入・ケアにより状態の改善が期待できます。
その方法として運動、あるいは運動と栄養管理の併用があります。
介入のタイミングは早ければ早いほどよいことも分かっています。

ご自身や周りの方が、
・牛乳パックが開けにくい
・食が細くなった
・寝付きが悪い
・友人との交流が減った
といった状態の変化に気付いたときには、「年のせい」と判断せずに、フレイルの可能性を考慮し、運動や栄養管理などで状態の改善を試みることをおすすめします。

相談先は老年科、フレイル外来などがよいでしょう。
また、75歳以上の方を対象にした「フレイル健診」を活用するのもよいと思います。
フレイル健診では、高齢の方の特性に合わせた質問表を使い、健康状態を総合的に把握します。
フレイル予防の観点で最も避けたいのは、転倒・転落による骨折によって寝たきりになることや、頭を打ち血種ができてしまうことです。
転倒・転落を防ぐために筋力を保つ、白内障など感覚器官の障害がある場合には治療する、リスクの高い住環境(階段や段差など)を改善するといった方法により要因を取り除くことが重要になります。

ここ2年ほどコロナにより運動機会・外出機会が減っていますが、身近な人や自分自身も日頃からフレイルにならないよう気を付けて過ごしていくようにしたいですね。

鹿児島県のフレイル予防サイトです。
http://www.pref.kagoshima.jp/ae06/kenko-fukushi/kenko-iryo/seikatusyukan/seikatushuukanbyou/locomo-yobou.html

鹿児島市に今月オープンしたフレイルに関する施設です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d6fc6227ad82302e73d35a5c6a7b179ca84fce88
https://www.nanpuh.or.jp/koureisya/