お役立ちコラム
介護が必要な高齢者が新型コロナウイルスに感染しても自宅で療養を続けざるを得ず、周囲からの支援がないまま状態が悪化してしまうケース
要介護者が新型コロナに感染したというケースついて記載します。
新型コロナウイルス感染症が急拡大する中で、介護が必要な高齢者が感染しても自宅で療養を続けざるを得ず、周囲からの支援がないまま状態が悪化してしまうケースが発生しています。
千葉県の80代女性は認知症があり、同居する50代の息子が介護をしていましたが、息子がコロナに感染・本人も陽性となってしまいました。
それでも息子は介護を続けていましたが、病状が悪化・容体が急変し入院を余儀なくされました。
しかし80代の女性は比較的軽症であったことから自宅療養となってしまい、自宅に1人取り残されてしまいます。
保健所から連絡を受けたケアマネージャーが介護ヘルパーを探しましたが、感染した人のもとへ訪問してくれる事業所が見つからず、ようやく見つかった看護師が訪問できたのは数日後だったそうです。
数日後、看護師が訪問した際、女性は数日間食事や水分を十分に摂取できておらず、エアコンも付けることが出来なかったため脱水症状で意識がもうろうとしている状態だったそうです。
このように新型コロナウイルスは直接的な被害だけでなく、高齢者等の介護を受ける側にとっては介護が受けられない「二次被害」を産むこととなるのです。
この出来事から考えていただきたいのは「コロナ禍での介護体制の整備」はもちろんですが、「在宅介護の場合のリスク」についてです。
在宅介護を行うことは、すなわち「介護を受ける人の生活を共に行う」ことですので、もし今回のケースのように家族に何かあったり介護が出来ない状態のなった場合、介護を受ける人は生活が出来なくなってしまいます。
場合によっては今回のように孤立してしまう可能性もありますし、急遽訪問介護などを探さないといけなくなるかもしれません。
「介護」について、経験者以外はまだあまり認識のない人が多い世の中ですが、誰でも「介護状態」になり得る世の中ですので、しっかりと考え備えていく必要があると考えます。
行政現場、医療従事者の方々のご尽力については、言うまでもなく感謝の気持ちでいっぱいです。
ただ、行政手続きの範囲の問題や執行権限の問題で、見守りからこぼれ落ちてしまうことがあるかもしれません。
私達は、自助努力で地域を見守る時代に差し掛かってきているのかもしれませんね。