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順天堂大学で老化細胞除去ワクチンの開発に成功 加齢関連疾患への治療応用を可能に

2022/03/04

順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学の南野徹教授らの研究グループは、加齢関連疾患への治療応用を可能にする老化細胞除去ワクチンの開発に成功したそうです。

加齢により組織に老化細胞が蓄積し、慢性炎症が誘発されることで様々な加齢関連疾患の発症や進行につながることがわかってきたそうです。
しかし、副作用なしに病的な老化細胞を除去する方法はなかったそうです。
今回、研究グループは、マウスの老化細胞に特異的に発現する老化抗原を同定し、その抗原を標的とした老化細胞除去ワクチンを作成して老化細胞を除去したところ、肥満に伴う糖代謝異常や動脈硬化、加齢に伴う身体機能の低下が改善するばかりでなく、早老症マウスの寿命が伸びることが確認できたそうです。
本成果は、アルツハイマー病を含めた様々な加齢関連疾患の治療への応用の可能性を示唆するものだそうです。
老化細胞は時間の経過とともに細胞分裂を停止したが死滅していない細胞と定義され、有害な化学物質を放出して正常な細胞にダメージを与え、炎症を引き起こす。
新たに開発されたワクチンが作り出す抗体はこの老化細胞に取り付き、それを目印にすることで白血球によって除去するそうです。
また、従来の老化細胞除去薬との比較実験では、老化細胞除去ワクチンの副作用が少ないことや効果の持続時間が長いことなども確認できたそうです。

今後は、ヒトへの臨床応用が期待されています。

現在、人生100年時代と言われますが、人生120年時代というフレーズも近い将来になってくるのかもしれません。