お役立ちコラム
26人のがんサバイバー あの風プロジェクト著 がん闘病の思い託した短歌集
今日はがんと闘う人へ短歌でエールを送るという記事について触れたいと思います。
がんを経験しSNSなどでつながった女性26人が、日々の恐れや希望を短歌に詠んだ歌集を出版しました。
昨今の新型コロナウイルス禍とがん治療が重なり不安を強める人々へ向けて、31音で覚えやすく語りすぎない短歌でがんサバイバーを応援したいという気持ちから企画されたものです。
10代から50代の約100首を収録した「黒い雲と白い雲の境目にグレーではない光が見える」という短歌集は、約6割が短歌初心者という中で、歌人の岡野大嗣さんに依頼し、ビデオ会議システムなどで指導を受けて作られました。
「生まれたての傷をいたわる初めての沐浴に似た戸惑いの手で」
「冬瓜がとろり澄みゆく瞬間を見逃さないこと生きてゆくこと」
「イヤホンでふさぐ産声 婦人科と産科を兼ねた待合室で」
短歌集は3章で構成されていて、短歌と挿絵で構成された第1章、読み応えのある連作の第2章、歌とエッセーを組み合わせた第3章でがんへの理解促進を図っています。
クラウドファンディングで費用を募り、半日で目標額を達成、4日で倍近い125万円を集め、歌集は全国50以上の病院へ寄贈されました。
がん治療中はコロナの重症化リスクが高いとされ、残念ながら交流の機会も減っているそうです。
歌集を読むことでがんサバイバーだけでなく、すべての人が共感でき、がん治療を受けている人たちへ力を与えられるといいですね。