お役立ちコラム

胃と大腸のがんの症状の現れ方について 早期の場合は多くが無症状で自覚症状なし

2022/01/10

本日は胃と大腸のがんの症状の現れ方についてご紹介いたします。
まず胃がんで早期の場合の多くは無症状です。
上腹部痛や腹部膨満感、食欲不振などが現れることもありますが、胃がんに特有な症状はありません。
一般的にはこれらの症状をきっかけにX線造影検査や内視鏡検査を受け偶然に発見されます。
進行がんになると体重の減少や消化管からの出血による吐血や下血などが見られ、上腹部にでこぼこした硬い腫瘤(しゅりゅう)を触れることもあります。
がんが全身に広がると、腹水がたまったりリンパ節が腫れたりすることがあります。

次に大腸がんで早期の場合、自覚症状はほとんどなく、がん検診や人間ドックなどの便潜血検査で見つかることがほとんどです。
進行した大腸がんでは、腫瘍の大きさや存在部位で症状が違ってきます。
右側大腸がんでは、腸管の中(管腔)が広くかつ内容物が液状のために症状が出にくく、出ても軽い腹痛や腹部の違和感などにとどまり、腫瘍がかなり大きくなってから腹部のしこりとして触れたり、貧血の検査で発見されたりすることもあります。
左側大腸がんでは、右側よりは早期から便に血が混ざっていたり、血の塊が出たりする症状がみられます。
管腔が狭く、内容物も固まっているため通過しにくく、それによる腹痛や、便が細くなる、残便感、便秘と下痢を繰り返すなどの症状が現れます。
放っておくと完全に管腔がふさがり、便もガスも出なくなる腸閉塞と呼ばれる状態になります。
直腸がんでは、左側大腸がんとほとんど同様の症状がみられますが、肛門に近いために出血があっても痔と間違えられやすく、放置されることもあります。
また、直腸がんでは膀胱や子宮に近接しているため、それらの臓器までがんが浸潤すると、排尿障害や血尿、腟から便が出たりするなどの症状がみられることもあります。
ご紹介のとおり、早期の場合の多くは無症状です。
症状が出てからでは進行しているため、早期発見のためにも定期健診を受けたいものです。