お役立ちコラム

小児がん経験者の晩期合併症について 「働く意思があっても仕事に就くことが難しい」「晩期合併症について職場での理解が得られない」などの問題も

2021/12/26

今日は、小児がん経験者の晩期合併症について、ご紹介したいと思います。

日本では年間約2,500人の子どもたちが小児がんと診断され、全国では16,000人の子どもたちが小児がんと闘っているといわれています。
治療研究が進み、現在では小児がん全体で7〜8割が治癒していますが、成長期に抗がん剤や放射線治療を受けることで、身長が伸びにくかったり、疲れやすくなるなど晩期合併症が経験者の約半数にあらわれると言われています。
主な晩期合併症には、
成長発達の異常→→→→【身長発育障害、無月経、不妊、肥満、やせ、糖尿病】
中枢神経系の異常→→→【白質脳症、てんかん、学習障害】
その他の臓器異常→→→【心機能異常、呼吸機能異常、肝機能障害、肝炎、免疫機能低下】
続発腫瘍(二次がん)→【白血病、脳腫瘍、甲状腺がん、その他のがん】
などがあります。

晩期合併症の多くは、がんの種類、治療の内容、その治療を受けたときの年齢などに関係し、ほとんどの晩期合併症は、年齢に伴って発症しやすくなり、治療終了後何十年も経過してから症状があらわれることもあります。
小児がんを経験し、現在はアフラック・ハートフル・サービスに勤務する大川さんが以前ゴールドリボンのイベントで晩期合併症と就労についてお話をされていました。
小児がんのことを正直に話してしまうと就職活動に不利になるのではないか、逆に、小児がんのことを隠してしまうと晩期合併症について配慮してもらえずに長く働き続けることが難しいのではないか等いろいろな葛藤があったそうです。
晩期合併症を抱える小児がん経験者の多くは「働く意思があっても仕事に就くことが難しい」「晩期合併症について職場での理解が得られない」などの問題を抱えています。
そういった方々の就労移行支援事業をゴールドリボン・ネットワークでは行っていて、大川さんもこの支援を受けて、アフラック・ハートフル・サービスに入社したそうです。
今まで(2017年~2021年1月)に就労移行支援を受けて、6名の小児がん経験者が就労しています。

私も初めて小児がん経験者の就労に関する話を聞きましたが、やはり先ずは知ること、理解することが大切ですね。