お役立ちコラム
難治性のユーイング肉腫に強力な抗腫瘍効果のあるiPS細胞由来ネオアンチゲン特異的キラーT細胞の作製に成功
本日は、「ユーイング肉腫」について紹介します。
この病名は小児がんの一種であり、主に若年者の骨に発生する肉腫です。
粘膜や皮膚などの上皮組織に発生する悪性腫瘍は「がん」といい、骨、軟骨、筋肉や神経などの非上皮組織に発生する悪性腫瘍を「肉腫」と呼びます。
ユーイング肉腫は、小児に発生する骨腫瘍では骨肉腫に次いで2番目に多いものです。
発症年齢としては、全体の約半数が10歳から20歳に集中しています。
症状は、病巣部位の痛みや腫れが特徴ですが、気づきにくいことが多く、発見・治療が遅れるケースが散見されるとのことです。
小児に1番多い骨肉腫は中学生~高校生くらいの年齢、また大腿骨や脛骨の膝に近いところに発生することが最も多いのですが、ユーイング肉腫は四肢の他にも骨盤、肋骨に発症することがあります。
主な治療としては、やはり「三大治療」が基本となります。X線等で明確な転移が認められなくても、小さな転移(微小転移)は起こっているものと考え、その対処として抗がん剤治療を行うことが多いそうです。
また、放射線治療は肉腫には効きにくいとされていますが、このユーイング肉腫については効きやすい部位として整理されています。
切除可能な部位であれば手術も行いますが、脊椎等に発生していると難しいことも多く、化学療法等との併用が基本となるそうです。
今年の8月に順天堂大学医学部で、難治性のユーイング肉腫に強力な抗腫瘍効果のあるiPS細胞由来ネオアンチゲン特異的キラーT細胞の作製に成功されました。
ips細胞を利用した様々な治療法が開発されて、今後に期待が持てますね。