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人工知能(AI)で行うすい臓がんの画像診断 画像診断AIの精度を実際にテストしたところ、94%の正解を導き出す

2022/01/19

本日は人工知能(AI)で行うすい臓がんの画像診断についてです。
久留米大学医学部を中心とした研究グループが、すい臓がんを判定するAIの開発に成功したそうです。

AIによる画像診断は主に胃がんや大腸がんで開発が進められています。
すい臓は胃の裏側にある臓器で、他の臓器や血管に囲まれてしまっていることでがんがあっても見つかりにくく、診断のための細胞採取も難しいためすい臓がんの診断は難しいそうです。
10年ほど前から超音波内視鏡を用いて胃の中からすい臓に針を刺し込み組織を採取する穿刺吸引生体検査という方法が普及してきたことで、すい臓の組織を直接採取できるようにはなっていますが、採取量が少ないため顕微鏡観察による病理診断は未だに難しいものとなっています。
このような背景からAIによるすい臓がんの画像診断の開発が行われることになりました。

超音波内視鏡を使って採取した412点のすい臓がんの標本をデジタル化し、18人の病理医によってがん細胞と判断された箇所をAIに学習させることで画像診断が可能となりました。
画像診断AIの精度を実際にテストしたところ、94%の正解を導き出すことができました。
これは既に開発が進められている胃がんや大腸がんの画像診断と見劣りしない結果であり、実用化が可能な精度になっているそうです。
今回開発したAI画像診断により小さながん細胞も発見することが可能になりました。

現在、AIを用いた病理診断の活用については日本病理学会がその在り方を議論しているところで、同学会の方針を踏まえて今後AIの活用ががんの診断にも広まってくる可能性があります。
すい臓は体の深いところに位置するため手術となっても体に与えるダメージが大きくなってきます。

今回開発されたAI画像診断の活用が可能となれば、小規模の病院でも早期により正確な診断ができるようになってすい臓がんの診断の精度が上がっていくことが期待されますね。