お役立ちコラム

放射線治療の一種である「重粒子線治療」で起こる副作用「唾液低下」軽減に効果的なアミノ酸

2022/01/13

本日は身近なアミノ酸が、がん放射線治療の副作用軽減に役立つ可能性があるという研究結果について。
その内容は、身近な複数のアミノ酸に「放射線保護効果」が認められ、がん放射線治療の副作用軽減に役立つ可能性が明らかになったというものです。

名古屋大学は7月5日、放射線治療の一種である「重粒子線治療」で起こる副作用「唾液低下」軽減に効果的なアミノ酸がないか、代表的な5種類のアミノ酸がもつ保護効果の違いを調べた結果を発表しました。
そもそも重粒子線治療とは、頭頸部がんなどに集中して高い線量を照射できるがん治療法です。
しかし、唾液が出にくくなるなど、つらい副作用が生じることがあるそうです。
現在までに、マウスによる実験で「D体メチオニン」というアミノ酸を飲ませると、この副作用が軽減されることがわかっていましたが、それ以外のアミノ酸の効果は不明とのことです。

今回研究グループは、そのD体メチオニン以外に、重粒子線治療の副作用軽減効果が期待できるアミノ酸がないか調べました。
重粒子線の照射で生じたDNA損傷を専門的な手法で確認し、代表的な5種類のアミノ酸がもつ保護効果の違いを調べた結果、「システイン」と「トリプトファン」というアミノ酸が、メチオニンと同等かそれ以上の効果を示し、有望な放射線保護剤の候補と考えられることがわかりました。

研究者は「この研究成果は、アミノ酸の作用機序の解明に貢献し、辛い副作用を軽減する安全ながん放射線治療用薬剤の開発に寄与すると期待されます。
また、身近で安全なアミノ酸を、広くがん放射線治療の副作用の軽減に適用できる可能性を示すことができたため、さらなる応用が期待されます」と言っています。

この記事を読んでアミノ酸の効果に驚くと同時に、重粒子線治療といった最先端な治療法でも副作用があること、そして医療における研究者はその副作用に対して少しでも緩和されるように日々研究をしていることを気づかされました。

システインは、食品では肉類(特にレバー)、魚類、鶏卵、野菜ではにんにく、たまねぎ、ブロッコリー、芽キャベツなどに含まれるそうです。
ハイチオールはシステインを多く含むサプリメントみたいです。https://www.ssp.co.jp/hythiol/lcysteine/

トリプトファンは、食品では主に、豆腐・納豆・味噌・しょうゆなどの大豆製品、チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、米などの穀類などです。
その他、ごま・ピーナッツ・卵・バナナにも含まれています。

ご参考にしてみてください。